岡山県岡山市出身の新進気鋭のアーティスト・文谷有佳里さん(39)の個展「なにもない風景を眺める」が、勝田郡奈義町の奈義町現代美術館で開かれ、曲線と直線が絡まり合った躍動感あふれるモノクロの平面作品が来館者の目を引き付けている。10日まで。
大学時代に作曲で培った音楽性を生かしながら、ペンや鉛筆を用いたドローイング(線画)を基盤に制作。コンセプトや対象物は存在せず、即興性や偶然性を生かして創作している。
会場には、2008年から昨年までに手がけたインスタレーション(空間芸術)など14点を出展。白いキャンバスの上で太さ、長さの異なる線が不規則に混ざり合い、集合と分散を繰り返しながら独特な世界観を醸し出し、訪れた人の目を引き付けていた。
夫婦で訪れた公務員の影山貴大さん(30)は「見方によって印象が変わり、つかみどころがなくて不思議な気持ちになった」と話していた。
最終日には文谷さんによるワークショップ(午後1時半〜)や、作品について語るアーティストトーク(午後3時〜)もある。