避難所での生活を擬似体験する「大井東地区防災キャンプ」が10日、岡山県津山市宮部下の中正小学校で初めて開かれ、参加者は1泊2日の間、講習やシミュレーションゲームを通して有事の際の対応を学び、防災・減災に対する意識を高めた。
今後の大災害に備えて住民たちの危機管理に対する意識づけを図り、大井東地区防災・防犯協議会、地区防災士が主催。市危機管理室や市社会福祉協議会、自衛隊、消防署、民間会社が協力し、指導に当たるなどした。
初日は幼い子どもからお年寄りまで家族連れらが参加し、地震や土砂災害、水害への対応や避難所運営の仕方を学習。さらにアドバイスを受けながら災害用テントや段ボール製の簡易ベッド、簡易トイレを組み立てた。
「避難所運営ゲーム(HAG)」では、グループに分かれて避難所運営において実際に起きた出来事や問題を元にしたゲームに挑戦。「水洗トイレの水が出ない」といったトラブルに対応しつつ、架空の避難所の見取り図の上に避難者に見立てたカードを配置していくのがルールで避難所を良い環境にしていくのに最適な処置について意見を交わした。
1歳の子どもと一緒に参加した日名川奈津子さん(41)は「幼い子どもを連れて避難するのは不安があった。キャンプに参加してある程度するべきことがわかってきた。参加して良かったと思う」。久米中2年の末澤岳志君(14)は「実際に災害が起きた時のことをイメージしやすくなったと思う。非常時でも自分から対処できるようにしっかり学びたい。そしてみんなと協力して困難な状況を乗り越えていきたい」と話していた。
