病気などで頭髪を失った子どものウィッグ(かつら)用に髪を寄付する「ヘアドネーション」に協力するため、岡山県津山市の保田優君(11)=北小学校6年=と佑君(9)=同4年=の兄弟が、2年半伸ばした髪を切った。「悩んでいる人たちに元気になってもらいたい」と願っている。
優君はヘアドネーション活動をしている子どものSNSを見て「困っている人を助けたい」と始め、佑君も兄の影響を受けた。
2人は活発な野球少年で、津山中央フェニックスに所属。監督をはじめチームは2人の思いを理解して後押しし、「フェニックスのロン毛兄弟」と呼ばれるように。周りから女子と間違われることもあったが、「髪を寄付する活動」は相手チームなどにも知ってもらえたという。
日々の生活や練習では「暑くて大変だった」ものの、毎日洗髪し、少しでも良い状態で届けられるようにとトリートメントも欠かさなかった。髪は背中にまで達し、寄付に必要な31センチの長さを越えた。
9日夕、応援してくれたチームへの感謝も込め、チームメイトの保護者が経営する「Hair design Replay」(志戸部)でカット。髪をいくつかの束にして切ってもらい、兄弟で互いにはさみを入れたりもした。

「頭が軽く、涼しくなった」と声をそろえる2人。優君は「昨日の最後のシャンプーは名残惜しかったけど、自分でもよく頑張ったと思う。ウィッグを着けた人には心が明るく、元気になってほしい」。佑君も「ヘアドネーションのことをもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と話した。
母親の律子さん(46)も4回目のヘアドネーションをしている。髪は医療用ウィッグを子どもたちに無償提供している大阪市のNPO法人「JHD&C」(ジャーダック)に送る。

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