鉄道利用促進シンポジウム(岡山県JR在来線利用促進検討協議会主催)が20日、岡山県津山市の音楽文化ホール・ベルフォーレ津山で開かれ、存廃問題で揺れるJR姫新線の利活用をテーマにしたパネルディスカッションなどに来場者約200人が聴き入った。
取り組みの報告では、勝山高生徒会長の2年・高田一輝さん(東新町)が姫新線存続を求める署名活動や勝山駅の駅舎空間創造プロジェクトについて説明。
続く講演では、小西伸彦就実大学特任教授が明治期に陰陽連絡鉄道として計画され、3路線の敷設により1936年に全通した姫新線の歴史、尽力した先人たちの功績にふれ「美作の人々の鉄道熱がいかに高かったか分かる」と強調した。
後半のパネルディスカッションでは5人が登壇し、鉄道ファンでホリプロマネージャーの南田裕介さんは「姫新線には美作千代駅などの木造駅舎があり、鉄チャン向けに掃除や花を植栽する体験ツアーを企画し、魅力をPRしては」、小西特任教授は「昔の姿のまま木造駅舎を守っている地元住民にはおもてなしの心が根付いており、それを顕彰するイベントしてもいい」と提案。
姫新線で通学している高田生徒会長は「歴史的建造物の木造駅舎を保存しつつ、他の駅の利便性を高めていく必要があると思う」、勝山高の池田浩規校長は「鉄道を使わないが残してほしいではいけない。鈍行列車でも時速85キロと乗用車より早く、安全だし、風景やコミュニケーションを楽しめる」と話した。
太田昇真庭市長は「欧州では鉄道機能再評価の時代に入っている。現状では難しい部分もあるが、未来への贈り物として多様な活用の仕方を検討すべき」と総括した。