鉄道遺産や近現代建造物 全国近代化遺産活用連絡協議会津山大会

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 第23回全国近代化遺産活用連絡協議会津山大会(同協議会主催)が21日、岡山県津山市内で開幕し、県内外の関係者らが「鉄道遺産」や「近現代建造物」の保存活用について理解を深めている。23日まで。
 全国の関連自治体や専門家ら会員約70人が来津し初日、「鉄道遺産の保存と活用」をテーマに山下の津山文化センターで開かれたフォーラムには愛好者を含め約100人が参加。
 基調講演では、鉄道総合技術研究所アドバイザーの小野田滋さん(東京都)が梅小路機関車庫(国重文)など各地に現存する同遺産の活用事例を紹介。国内最古の1895年に整備されたJR美作河井駅の転車台にもふれ「地域の観光活性化、先人の知恵を伝える意義もある。系譜を明らかにした上で、全国組織が連携して計画的に保存していくことが大切」と総括した。
 続いて同協議会会長の多々見良三京都府舞鶴市長、谷口圭三津山市長、青野高陽美咲町長が地元の鉄道遺産についてトークセッション。このうち青野町長は「旧片上鉄道のディーゼル車両キハ302は88年を経て老朽化が進み、コスト、技術面でも動体保存の持続が大きな課題になっている」と話した。
 この後のシンポジウムでは、3首長に専門家も交えて意見交換。城市孝志京都鉄道博物館副館長は「旧津山扇形機関車庫が鉄道遺産に2018年選定されたのは歴史・文化的価値の高さと鉄道館としての活用が高評価された」と述べ、堤一郎日本工業大学特別研究員は「扇形機関車庫と転車台のある京都と津山は兄弟関係にあり、津山はディーゼルの基地として存在意義は大きい」と強調した。
 22日も同センターでフォーラムを開き、テーマは「津山市の近現代建造物の調査と活用」。樋口輝久岡山大学学術研究院准教授が現存する希少なレンガ舗装の翁橋、平岡正宏津山市文化課長が同センターと津山郷土博物館の耐震改修、廣瀬幸子同市歴史まちづくり推進室主任が城東重伝建地区の苅田家付属町家などをリノベーションした宿泊施設「城下小宿・糀や」について事例報告した。午後は作州民芸館(旧土居銀行津山支店)や城西浪漫館(中島病院旧本館)などを見学した。
 最終日は、津山郷土博物館(旧津山市庁舎)、美咲町の旧片上鉄道吉ヶ原駅、柵原鉱山資料館などを視察する。

基調講演する小野田さん

シンポジウムで意見を交わすパネリスト


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