観光バスガイドという職業を絶えさせたくない――。そんな思いを胸に、魅力発信に立ち上がった女性が鏡野町にいる。谷本尚子さん(43)=同町小座=だ。案内する様子を収めた動画のネット配信を企画し、町内で撮影を行った。
観光バスガイドはかつて女性の人気の職種だったが、減少の一途をたどっているという。別費用がかかることや長時間の同乗を敬遠する傾向が強くなり、生計を立てられない人が増えた。コロナ禍の影響で団体旅行が激減したのも追い打ちをかける。
谷本さんは、パン店の経営やイベントの司会、選挙のウグイス嬢など複数の仕事をかけ持ち、春と秋の行楽シーズンにはバスの車内に美声を響かせる。19歳でガイドになり、結婚や子育てで休止していたが35歳で復帰した。フリーランスで依頼を受けている。
撮影は16日に実施。鏡野観光(野井隆博社長、同町古川)が大型バスを出し、上斎原までの往復約70㌔を走行した。制服に身を包み、マイクを手にした谷本さんは「奥津温泉は、映画化もされた小説『秋津温泉』の舞台です」「人形峠は、巨大なハチが襲ってこないように人間そっくりの人形を置いたのが地名の語源だそうです」など、各地にまつわる知識を被露し、友人らがスマホのカメラで撮っていた。
「バスガイドはその地の知られてない一面まで伝え、充実感を得てもらうのが仕事。予習も欠かさない」と谷本さん。魅力の発信に向け、「ガイドをつけたいな、ガイドて素敵な職だなと感じてほしい」と語る。
映像は、動画投稿サイトユーチューブの谷本さんのチャンネル「PrideTalk谷本尚子」や開設準備中のホームページで配信する予定。今後、鏡野町から真庭市蒜山地域までのコースも企画したいとしている。
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ネット配信する動画の撮影に臨むバスガイドの谷本さん
鏡野町の谷本尚子さん(43)、案内する様子を収めた動画のネット配信を企画し、町内で撮影
- 2020年10月26日
- ひと