鏡野町商工会合併20周年記念式典・記念講演会が8日、岡山県苫田郡鏡野町竹田の町中央公民館で開かれた。関係者ら約100人が出席し、これまでの歩みを振り返るとともに、今後の地域経済の発展に向けて決意を新たにした。
宇佐美勝正会長はあいさつで、合併から旧町村の垣根を越え、さまざまな事業に取り組んできたと振り返り、「急激に変化する世界情勢の中、小規模事業者に寄り添った伴走型の経営支援を一層強化したい」と強調。10年、20年後により安定した経営体制を築けるよう諸課題に向き合い、「会員企業の期待に応え、愛される商工会を目指す」と語った。瀬島栄史町長ら来賓が祝辞を述べた。
記念講演会では、アウトドア用品メーカー・モンベル会長の辰野勇さんが登壇。高校1年生の時、国語の教科書に掲載されていた『白い蜘蛛』に感銘を受け、登山に熱中するようになったという。1969年には、世界屈指の難関として知られるスイス・アルプスのアイガー北壁に挑み、21歳で当時の世界最年少登頂に成功。多くの登山家が命を落とす現実にふれ、「一瞬一瞬を生きる大切さを知った」と振り返った。
「人はなぜ冒険をするのか」という問いには、米国の学者の見解を紹介。命を懸けて人のやらないことに挑戦するのは全体の0.3%とされ、人類の進化を切り開く最前線を「リーディングエッジ」と表現し、「自分の好きなことを追いかけることが大切」と語った。
また、生きる力として集中力、持続力、判断力を挙げ、リーダーに最も必要なのは「決断力」だと指摘。モンベルの発展の基盤となった「七つの決断」を紹介し、「商売はもうけるだけでなく、社会に貢献することが重要。そうして夢を共有できる仲間が集まる」と強調した。「アウトドアには多くの可能性があり、夢が人を進化させる」と締めくくった。
鏡野町商工会は2005年4月、旧鏡野、奥津町、上斎原、富村の4商工会が合併して設立。業種を越えた連携のもと、地域経済の発展と中・小規模事業者の経営支援に取り組んでいる。現在、町内の約340社が会員。
