開成高校(東京都)の2年生が5日、岡山県津山市の観光振興につなげようと生徒たち自ら企画したPR動画や各スポットを移動しながら楽しむ謎解きゲームを制作するため、修学旅行の一環で来津した。50人は班ごとにわかれて市内を巡り、歴史や文化に触れながら構想を練るなどして過ごした。1学期中の完成を目指す。
同校の修学旅行は2年生全408人が北九州や四国地方などの4つのモデルコースから選ぶ方法をとっており、このうちの一つ「岡山無人島コース」では、「非日常な体験」をテーマに生徒が主体となって予算の中で旅行プランを決める画期的な取り組みを実施。市では教育研修旅行の誘致を進めており、今回の企画の立ち上げが決定した。
この日、津山城や道の駅久米の里、津山まなびの鉄道館などを巡ってきた生徒たちは津山市役所で報告会を実施。谷口圭三市長や笠尾美樹観光文化部長らに町並み、建造物などを収めた写真や動画を見せながら、考えたゲームのコンセプト、映像に対する意図を述べた。
笠尾観光文化部長は「各所にあるロゴマークやオブジェなどと絡めてクイズを考える発想がおもしろい。観光客があまり立ち寄らない場所にも着目しており、感心した」「津山を知らない人でも興味がわくように動画の撮り方を工夫している点も良い」と講評。谷口市長は「普段見ている場所も見る角度によって違う。津山の魅力を再確認でき、多くの人に向けたPRの仕方を考える参考になった」と話した。
旅行のリーダーを務めた田尻嗣門さん(16)は「市の協力を受けて企画に取り組むのは初めての挑戦。不安もある中、みんな本気で考えて動いて作ってきた。一丸となって完成させた“努力の結晶”をたくさんの人に楽しんでもらえたらうれしい」と話していた。
市観光振興課は仕上がったものを見て、活用を検討したいとしている。