阿波地域に残るかやぶき屋根のふき替え作業の体験会が21日、同所の民家で開かれ、親子連れら約30人が職人と一緒に補修作業をしながら、伝統建築への認識を深めた。
地域活性化に取り組む「ふらり」が企画し、大塚昭典さん(79)=阿波=の家屋(約80平方㍍、2階建て)で行われた。1861(文久元)年築で、2階の窓に光が差し込むように、屋根の一部が切り落とされた珍しい設計になっている。
参加者は職人歴60年以上の山本進さん(79)=加茂町公郷=の指導を受けて、幅90㌢の押し切り機を使って約2㍍のカヤを半分に切断。約7〜8㍍の高さに組まれた足場に上がり、カヤを屋根に挿し込むほか、コケを落とすなどの掃除もした。「カヤは油分を多く含み、雨を弾くので長持ちする」と説明を受け、触わって感触を確かめていた。
松山優羽君(11)=岡山市=は「高くて怖かったけど、作業をしていくうちに楽しくなった」。母親の有香さん(38)は「屋根の上に土があるのが気になったが、実際は朽ちたカヤだった。新しい発見ができてよかった」と話した。
同地区のかやぶき屋根の建物は6軒あり、約20〜30年に1度ふき替え作業をする。
p
屋根の補修作業を行う参加者