本年度「津山地域障害者虐待防止研修会」が23日、大谷の中央公民館で開かれ、障害福祉関係者ら約70人が現状を学び、予防や支援のあり方について認識を深めた。
津山地域障害者虐待防止センター、津山市、鏡野、久米南、美咲町が主催。倉敷地域基幹相談支援センター(社会福祉法人リンク)の永田拓施設長と専門職員の奥野友基子さんが講師を務めた。
永田施設長は障害のある人の権利擁護について講義し、「日本が障害者権利条約に批准したのは179カ国中、140番目。日本はまだ暮らしやすい世の中になっていない可能性がある。それを実現するのが私たち」と呼びかけた。
奥野さんは、新型コロナウイルスが流行し始めた2月以降、倉敷市で擁護者からの虐待が増加傾向にあるとし、同センターで対応した軽度知的障害の20代女性に対する父親からの虐待事案を報告。倉敷地域で行われている参画機関による短期入所の輪番制事業についても紹介した。「擁護者のアフターフォローも含め、被虐待者が安心して笑顔になれる生活の提案・提供が私たちの役割。家庭内の問題を理解し、適切な支援を行うことで虐待は未然に防ぐことができる」と話した。
続いて事例を基にした演習があり、参加者は支援体制や孤立しない地域づくりなどについて熱心に考えた。
新型コロナウイルス対策として、午前と午後の2回に分けて行った。
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障害者への虐待防止について学んだ研修会