物産館「夢広場」の「味覚祭」に合わせて津山商業高校の生徒たちによるニシキゴイの販売実習が4日、岡山県苫田郡鏡野町円宗寺の同館で行われ、来場者たちの人気を集めた。
商業科目「商品開発と流通」を学ぶ地域ビジネス科3年生51人が授業の一環として校内の旧プールで養殖してきた約500匹を販売。体長10~30センチ以上の「昭和三色」「大正三色」「プラチナ」や「山吹黄金」といった品種が市場より割安の500円~1万円で売られており、愛好家らが次々と訪れて店舗前で列をなしていた。
この日は生徒17人が手分けして接客にあたり、来客が買い求めるコイを網ですくいとって袋に入れて手渡すほか、会計なども行った。自宅で70匹のコイを飼っているという赤磐市の井上恵夫さん(76)は「欲しかった品種『丹頂』が手ごろな値段で手に入ってうれしい」と喜んでいた。
このほか、金魚すくいならぬ「コイすくい」もあり、幼い子どもから大人まで水槽の中で泳ぐ稚魚を得ようと夢中になる姿も見られた。伝票を作る役割を担っていた名古屋晴琉さん(18)は「みなさんの喜ぶ顔が見られてうれしい。学んできた知識やビジネスマナーを実践する機会に恵まれて良かったと思う。就職先でこの経験を存分に生かしていきたい」と話していた。
実習販売は、個客のニーズに合わせたサービスについて学び、能力や資質の向上、地域貢献につなげる力を養うことを目的に毎年実施している。
関連記事