岡山県津山市下横野の高田小学校で13日、県郷土伝統的工芸品「横野和紙」の紙すき体験があり、5年生18人が地元に伝わる和紙作りの技術にふれた。
同校が毎年実施している地域の文化を学ぶ学習で、県重要無形文化財保持者の上田繁男さん(81)が指導した。
上田さんは、横野地区では金箔(ぱく)を挟むための箔合紙を作っていることや、和紙の用途に合わせて原料の濃度や練り具合を調整し、同じ厚さの紙を何枚もすく職人の技などについて説明した。
続いて子どもたちは、たらいに水と原料のミツマタ、つなぎのトロロアオイを入れて混ぜ、こし網を付けた木の枠で手すきに挑戦。「枠を真っすぐ引き上げて」といったアドバイスを受けながら、繊維が均一になるように真剣な表情でゆすった。最後に厚手の紙にはさんで水分をとり、破れないよう慎重にはがした。
押柄心愛さん(11)は「上田さんの技術はすごくて、薄く均等にするのは難しかった。ずっと守られてほしい大切な文化だと思う」と話していた。