岡山県津山市が阿波・加茂・勝北・久米地域で1日から行うAIを活用した予約型乗合交通(デマンド交通)「のるイコつやま」の実証運行の出発式が29日、加茂町桑原のJR美作加茂駅前で開かれた。今秋ごろの本格稼働を目指す。
市営バスや地域巡回バスなどの代替となる交通サービス。電話かウエブで予約する。乗降場所はサービス対象地域内の自宅周辺、医療機関、商業施設、公共施設など4350地点を設定しており、時間や運行ルートなど柔軟な対応が可能。年間約6000人の利用を見込んでいる。
出発式には関係者ら約30人が出席。谷口圭三市長が「高齢者や障害がある方の交通手段を確保し、JRや路線バスなどの2次交通をしっかりフォローする。交通空白地域をなくしていく」とあいさつ。市が導入したAIデマンド交通システム「のるイコ」を開発したJR西日本の藤原乗将岡山支社長が「自宅の近くで乗り降りできる利便性の高い仕組み。皆さんとより便利で持続可能な地域づくりを目指したい」と述べた。
テープカットに続き、試乗会を行った。市連合町内会阿波支部の小椋道典支部長(74)は「住民の関心は高いが、高齢者にはインターネットの利用の不安があり、中学生の部活動の利用も含め、課題はある。実証期間中に課題をしっかり洗い出したい」と語った。