津山城(国史跡、鶴山公園)で進められている二の丸東側の石垣修復工事は、積み直す石垣の大半が取り外され、元々あった「鶴山」を切り崩した地山の面があらわになっている。かつての表土の痕跡も見てとれ、市文化課では「これだけ大規模に露出するのは築城後ではおそらく初めて」としている。
崩落の危険性がある幅約32㍍、高さ8㍍、計約800個の解体に昨年6月着手。これまでに全体の8割近くを本丸の仮置き場へ移動させ、根石付近まで掘り下げた。地山の肌は赤みを帯びており、上部に築城(1604〜16年)以前は表土だった焦げ茶色の地層が帯状に入っているのがはっきりと分かる。
さらに現場の南端、石垣内側にあるモミジの根元付近からは未確認の石積みが出土しており、往時の土塀の基礎になっていた可能性が高いという。
「地山は硬い土質とそうでもない部分が入り交じり、下部では切り崩した面に直接ぐり石を敷いて石垣が組まれている」と豊島雪絵文化課主幹。
21日には現地見学会を開き、南端の発掘調査の成果を中心に、石垣解体の現状についても説明する。午前10時〜、11時〜、午後1時〜、2時20分〜の4回で各先着20人(要入園料)。
同修復工事は城跡整備事業の一環で、新年度前半までに解体作業を終え、積み直しに移行する予定。完了は2022年7月末の計画。
見学会の申し込み、問い合わせは、津山弥生の里文化財センター(☎248413)。
p
石垣が取り外されて露出している地山
鶴山公園石垣修復工事
- 2021年3月13日
- 歴史・文化