主にパンに使われる強力小麦「せときらら」の岡山県内最大の産地・津山地域で、今季の収穫作業が最盛期を迎え、黄金色に輝く畑にコンバインのエンジン音が響いている。
せときららは2014年ごろから栽培が始まり年々、作付面積が拡大。市内では今季、26戸の農家が97ヘクタールで生産し、例年並みの325トンの収量を見込む。
麦秋を迎える中、農業者グループ・LAアライアンス(下高倉西)は13日、綾部地区の畑で収穫。たわわに膨らんだ穂が頭(こうべ)を垂れる中、大型コンバインが軽快に刈り取りを進めていった。冬場の雨で生育が心配されたものの品質は上々といい、メンバーの米井崇恭さんは「地元で食べるものは外国産に頼らず、地元で作って消費できるよう頑張りたい」と意気込んだ。
せときららを使ったパンはもっちりとした食感と豊かな香りが特徴で、市内外のパン店やケーキ店などでの活用が広がっている。また、市内小中学校の給食で提供するめん類の原料を津山産小麦にするなど、地産地消の取り組みが進められている。
収穫は今月末にかけて行われ、県内の製粉業者に出荷されるほか、小麦粉は統一ブランド「津山のほほえみ」として販売され、市内の直売所にも並ぶ。