岡山県津山市一宮の中山神社(岡本正弘宮司)で18日、18世紀中期に建立された惣神殿(市重文)の保存修理現場見学会があり、解体修復中の屋根組みや柱の構造について市内外の約120人が見聞きした。
惣神殿は1559(永禄2)年、境内を流れる御手洗川南側に末社や周辺の氏神を合祀(し)して創建。現在の建物は1742(寛保2)年に改築し1913(大正2)年、境内西側に移築された。2020年から4カ年計画で解体修理を進める中、市と神社関係者でつくる保存修理委員会が初めて一般公開。
参加者はヘルメットを被って覆い屋内の足場に上がり、施工した専門職人らから説明を受けながら古材を極力生かして組み直した「一間社春日造り」の構造や、桧皮葺(ひわだぶ)きの軒づけに着手した「向拝唐破風付き」の屋根といった伝統的な様式の神社建築をじっくりと見て回った。一角では檜皮葺きの実演もあり、注目を集めていた。
岡山市の大学2年・谷本昌大さん(20)は「神社の修復を見るのは初めて。古材を残して組まれ、屋根は新材も加工した曲線が美しい。檜皮葺きにさびない竹くぎを使うにのも感心した」と話した。
同改修工事の進ちょく率は現在約70%。来週から屋根の平葺きを進め、棟の千木(ちぎ)、堅男木(かつおぎ)といった銅板装飾を6月末までに仕上げる予定。総工費約9400万円を見込み、市がおよそ2分の1を補助する。
18世紀中期に建立された惣神殿(津山市重要文化財)保存修理現場見学会 / 岡山県津山市中山神社