岡山県津山市山北の市総合福祉会館で8日、身分差別を解消し、平等な社会を求める美作水平社の創立100周年記念集会が開かれた。運動を継承してきた「豊かなまち・人つくり津山ネットワーク」(末永弘之委員長)は、社会の発展変化などを受け、津山地域での水平社の流れをくむ全ての市民運動の終結を宣言した。
約120人が出席し、中西孝実行委員長が「津山の地で人権と民主主義の充実・発展のために大きな働きかけをしてきた。新たな決意に理解と賛同をお願いしたい」とあいさつ。来賓の谷口圭三市長らが祝辞を述べた。
100年の歩みを伝えるスライド上映、各地域からの報告に続いて、末永委員長が宣言文を朗読。「津山市を中心とした部落解放運動は、同和向け特別措置法の終了、社会の発展変化などと合わせて、もはや必要のない時代を迎えたと実感している」と同ネットワークの運動を閉じることを告げ、「今後は一人の人間として平和、自由と民主主義、暮らしを守る市民として活動を強め、生きていく道を歩む」とする決意を表明した。
美作水平社は、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の文言で知られる水平社宣言の翌年の1923(大正12)年、当時の津山町の津山城鶴山館で創立された。団体の名称を変更しながら、2002年には全解連津山協議会を発展的に解消して同ネットワークとして再構築し、運動を続けてきた。