昆虫標本アーティスト・小枝正和さん(50)=岡山県津山市二宮=の作品が、参議院議長公邸(東京都千代田区)で展示されている。期間は1カ月ほど。5年前に交通事故で瀕死の重傷を負い入院中に昆虫標本と出会った。いまも後遺症と闘い続ける小枝さん。「夢にも思っていなかった。苦しくても、諦めないで懸命に生きていれば、報われる時は必ず来る。そんな思いを伝えたい」。
作品のタイトルは「平和」。横53㌢、縦40㌢のドイツ型標本箱には黒の底面に青色に輝く南米産のモルフォチョウ22頭が円形に群れている。「青い空をイメージし、世界は一つだということを表現した」。
美咲町周佐に今年3月オープンしたコレクションギャラリーを訪れ作品を見て感激した、地元選出の国会議員の橋渡しで実現した。小枝さんは10日、公邸を訪れ山東昭子議長に作品を引き渡した。
「こんなにつらい状態の自分にしかできない事があるはず。どん底の苦しい自分だからこそ、できることが必ずある、そう自分に言い聞かせて作品創作に没頭してきた。苦しんでいる人の絶望を希望に変えられる命のアーティストになりたい」。
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山東昭子参議院議長に作品を引き渡した小枝さん
昆虫標本アーティスト・小枝さん 山東昭子参議院議長に作品を引き渡し