県重要無形文化財保持団体の神伝流津山游泳会は、神伝流21世宗師に稲毛啓志氏(54)=岡山県津山市東一宮=を推戴し、2022年12月18日に山下のザ・シロヤマテラス津山別邸(岡山県津山市)で推戴式を開いた。
第20世宗師の渡邉熙彦氏(84)=津山市林田=が高齢のため、稲毛氏を次期宗師に推薦し、同会の理事会と高段者会の承認を経て決定された。
式典には各流派の代表をはじめ、関係者約140人が出席。渡邉氏が「活発で最適な人であり、みなさんの支援で神伝流を守っていってほしい」とあいさつし、稲毛氏に推戴証を手渡した。稲毛氏は「神伝流はもとより、日本泳法の継承、保存、発展を諸先生方とともに微力ながら尽力していきたい」と決意を述べた。
稲毛氏は小学3年で神伝流に入門し、1986年の第31回日本泳法大会泳法競技で優勝。大学卒業後、津山游泳会プールに就職し、多くの優秀な水泳選手を育成している。
神伝流は武芸の水練術として発展した古式泳法。1848(嘉永元)年、津山藩士の植原六郎左衛門が伊予松山の神伝流第9世・伊東祐雄師から第10世宗師を受け、その後現在まで11代にわたり津山游泳会が宗師の名跡を受け継いでいる。
21世宗師に稲毛啓志氏 神伝流津山游泳会