岡山県津山市の小原や総社などにまたがる中世山城・神楽尾城跡(市指定史跡)で9日、登山会が開かれ、市内の小学生からお年寄りまで約60人が地域の歴史に触れながら山歩きを体験。山頂の本丸跡地では360度四方の眺望を満喫した。
地域の史跡に親しみながら健康と交流の促進を図ろうと神楽尾城跡保存協力会(清水雄介会長)が毎年主催している。参加者たちは神楽尾山(標高308メートル)の頂上を目指して午前10時前に神楽尾公園(総社)を出発。保存会メンバーの案内で各所にある遺構を見学しながら進み、心地よい汗を流した。
登頂後は保存会の中島浩明さんが語る山城の故事来歴を傾聴。田邑の徳万という信仰心の厚い人物が山頂に神社を建てたことから始まり、戦国時代は安芸の毛利勢の拠点として築城されたものの、敵対する備前の宇喜多勢の家臣によって落城するまでの経緯を学んだ。
最後は高台の上で夢や日ごろの思いを叫ぶ企画を実施。眼下に広がる市内の景色を前に一人ひとりが「テストで100点を採る!」「津山市を良くしたい!」など思い思いに大きな声を上げていた。
毎年登山会に参加しているという総社の竹井和子さん(82)は「友人と一緒に楽しく登山しながら健康維持にもつながる点が良い。市内の町が見渡せる頂上の景色は圧巻で充実した時間が過ごせる」と話していた。
