国指定重要文化財で県内最古の木造塔建築の「三重塔」がある岡山県美作市真神の長福寺で19日、コロナ禍が明けて5年ぶりになる「虚空蔵大祭」が開かれた。「十三まいり」をはじめとするさまざまな法要が営まれ、県内外から訪れた大勢の参拝者でにぎわった。
干支が一回りする13歳の年齢は、子どもから大人へと成長する大切な時とされると同時に厄を迎える年でもあることから、同寺では厄を払い、将来への飛躍と新しい門出を祝おうと同大祭を開催している。今年から新たに「大般若転読法要」「柴燈大護摩供」、火渡りや人形供養も執り行い、お年寄りから幼い子どもまでが参加して1年の健康や家内安全なども祈った。
十三まいりでは両親や祖父母に連れられた子どもたちが、丹塗りの映える三重塔を見上げながら参道を上った後、奥にある虚空蔵堂の前で線香を供えて手を合わせ、煙を浴びるなどしていた。
父親の仕事の関係で美作市に移住する予定だという大阪府の中学1年・東山凛花さん(13)は「今住んでいる場所には無い風習だからとてもわくわくしたし、拝んでもらって気持ちがすっきりした」と笑顔で話していた。
この日は美作市内外の飲食店による露店も並び、おいしいグルメを堪能する人たちの姿も見られた。