岡山県津山市の佐良山小学校の5年生42人が3日、地元企業の日本植生が運営する日植総合研究圃(ほ)場=美咲町新城=を訪ね、土砂災害を防ぐ森林の働きや自然を守ることの大切さについて学んだ。
地域の良さを体験する「さらやま学」の一環として昨年に続き実施。技術研究をしている圃場(約10㌶)の施設を見学した。
流水路を設けて護岸工法の開発試験をする設備では、同社職員が1998年の皿川の氾濫での教訓を生かし、秒速4mまでの水の流れを発生させることができると説明。続いて子どもたちが上流からピンポン玉を流し、流速を目視で確かめた。
座学では、森林の公益的機能として山崩れや風害の抑制、木材資源のほか、生物の生息地になっていることを紹介。人間が生物の営みから食料や衣類、さまざまな恩恵をもらっていることを学んだ。
人工的な降雨で実験を行う設備では、約6㍍の高さから1時間50㍉の雨を降らせ、露出したままの土と、同社製品のシートを使用した場合の流れ出る水の透明度を見比べた。
植物見本園では、緑化や観賞用など約200種が展示されており、子どもたちは目当ての植物を探してビンゴゲームを楽しんだ。
池田進一郎君(10)は「川が氾濫した時の水の怖さや、生物の多様性について知ることができた。これからも緑や生き物を大切にしていきたい」と話していた。