岡山県津山市にあり、老朽化と耐震強度不足のため来月から取り壊される美作高校本館の「お別れ会」が26日、同校で開かれ、OBや在校生らが築59年になる学び舎で過ごした思い出を振り返り、惜別のひと時を過ごした。先月完成した新本館は今月から使用を開始している。
約110人が参加し、藤原修己同学園理事長が「素晴らしい新館が完成した中、59歳となった旧館はこれまで約2万人の卒業生を輩出してきた。この会を開けたことをうれしく思い、これからも白梅精神のもと地域と共に幅広い学校づくりを進めたい」とあいさつした。
吹奏楽部による校歌などの演奏、同校の歩みをたどるビデオ放映の後、記念撮影をし、全員で学び舎に「ありがとう」と感謝を伝えながら風船を空へ放った。自由見学とした校舎内には、歴代卒業生らの写真などが飾られ、参加者は校舎の眺めとともに懐かしんでいた。
会社員・板倉幸江さん(60)=1982年卒=は「45年ぶりに懐かしい校舎に入ることができ、胸がいっぱい。さみしいけれど、お別れができてよかった」と話した。
本館(鉄筋4階建て延べ約3000平方メートル)は1964年に建てられ、近年の耐震診断で強度不足が判明。解体工事は年度内に完了する見通し。新本館は現在、鉄筋3階建て延べ2155平方メートル。さらに図書館やホールの増築部分の整備を進め、2025年4月までに本館新築工事がすべて完了する計画で、総工費約20億円。