第47回「瀬戸内版画展」が岡山県勝田郡勝央町勝間田の勝央美術文学館で開かれ、さまざまな技法を用いて表現された動植物や風景の絵、静物画が来場者たちの目を引きつけている。27日まで。
県内外の愛好家でつくる瀬戸内版画会(島秀佐会長)のメンバー4人の木版、銅板、紙版画計16点のほかに元会員たちも出展。
くぎを木の板に打ち付けて凹凸を付ける「くぎ打ち」の技法で魚のうろこを表現した「coelacanth(シーラーカンス)」をはじめ、情緒あふれる印象的な日本の風景、神々しさを醸し出した仏の頭など、気韻生動の意欲作が会場にずらり。紙にのるインクの量を調整して濃淡をつけて奥行きを表す、多色刷りで華やかに見せるといった創意工夫が施されており、訪れた人たちは興味深そうに一点一点を眺めていた。
勝央町出身で埼玉県在住の藤野惠さん(79)は「制作者がじっくりと作品と向き合い、時間と労力を重ねて完成させたように感じた。それぞれの違った手法でアプローチしていて個性が際立っていて趣深い」と話していた。