岡山県警津山署と同署管内金融機関防犯協力会は18日、特殊詐欺の一つ、SNS型ロマンス被害を未然に防いだしたとして中国労働金庫津山支店(林田、奥村重人支店長)と行員の前原岐美重さん(42)に感謝状を贈った。
前原さんは、6月17日午前中に窓口に来た岡山市の60代男性から「定期預金を解約して弟の口座に振り込みたい」という要望を聞き、応対。理由を尋ねると「投資に使う」などと話したことから不審に思い、本人の承諾を得て連絡を取り合っているスマートフォンアプリ「LINE(ライン)」を確認したところ、日本語の文章に不自然な点が見られた上、振込先の口座が法人名義になっている点から、被害にあっていると察して上司に報告した。男性は実際SNS上で女性とみられる人物とやり取りしていたという。
贈呈式が林田の同署で行われ、安原卓志署長は「その功労は多大であり他の模範になる」とたたえ、感謝状を手渡した。前原さんは「防犯研修や訓練を重ねてきたおかげで不審な点に気づくことができた。みなさまが安心安全に利用していただけるようにこれからも励んでいく」。奥村支店長は「年々、特殊詐欺の手口が巧妙になってきていると感じている。お客様の大切な財産を守るためにも引き続き、気を引き締めていく」と話した。
SNS型ロマンス詐欺は、コミュニケーション、マッチングアプリを悪用して直接会うことなく会話をしながら、親近感や恋愛感情を抱かせて金銭などを要求する手口。このほかに同署管内では6月末までに、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺の計3件が発生しており、被害額が838万円となっている。生活安全課は「振り込む前に、必ず知り合いに相談をしてほしい。高額な要求は特に注意を」と呼びかけている。