勝北中学校(岡山県津山市原)で8日、コンピューター上で創り出された仮想空間・VR(仮想現実)を利用した社会科の授業が行われ、2年生33人が立体的な3次元映像が楽しめるVRゴーグルを用いて、南西諸島の地理や文化について学びを深めた。
市教委は、連携協定を結んでいる東京学芸大学やNTT西日本と協力してVRを活用した教育を研究している。事業のモデル校に指定されている同校で実証授業を行うのは4回目で、今回は過去の授業の中で挙がっていた「準備の簡略化」と「柔軟な利用」という課題を踏まえ、スマートフォン(スマホ)やポータブル無線LAN(WiーFi)を使用した簡易的な装備で臨んだ。
生徒たちは幅17センチ、高さ9センチの箱にスマホを備え付けたVRゴーグルをのぞき込んで、沖縄県の海や現存していた時の首里城といった各所の映像を視聴。動画はゴーグルを傾けることで360度の景色が見渡せ、生徒たちは興味津々な様子で上下右左に動かしていた。この後、見た映像を元にパソコンを使って現地の特徴をまとめた資料を作成した。
河内結斗君(14)は「映像に没入できて、実際に訪れたような体験ができた。特に建物の大きさなど、教科書の写真ではイメージできない部分を実感できたのが勉強になった」。社会科担当の高岡将大教諭(28)は「本格的な機器より気軽に取り入れて使える上、生徒たちの学習に対する集中力や意欲を高めるのにも役立つ」と話していた。
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