国特別天然記念物の「はんざき」(オオサンショウウオ)が生息する岡山県真庭市の湯原温泉で23日、第61回「はんざき祭り」(同実行委主催)が開かれ、全長約5.5メートルの山車2台が温泉街を練り歩き、夜を盛り上げた。
夕方、大はんざき像を載せた山車「太郎」「花子」が地域住民らに引かれながら、同市豊栄の湯原振興局を出発。「はんざき囃子(ばやし)」の歌に合わせて軽快に踊る花笠を被った女性や浴衣姿の男性たち「踊り連」とともに約1.1キロの道のりを進んだ。「砂湯」近くの河川敷の会場に到着すると、観客も加わり、2台を囲んで総踊り。花火も上がり、県外から訪れた観光客も年に一度の大イベントを満喫した。
約8年前に同温泉を知り、今では年に3回訪れるという大阪府の河岸和弘さん(65)は「私は障害があり、車いすで移動しているが、湯原のみなさんはいつも友人や家族のように接してくれ、不自由が無いように助けてくれる。祭りも町の人の人柄もみな好き。今ではみなさんに会いに来ている。来年も来る」と笑顔で話していた。
同祭りは通例では8月8日に開催しているが、今年は台風の接近に伴い延期。またこの日は雨天により恒例のねぶたは中止した。