岡山県苫田郡鏡野町上斎原の「妖精の森ガラス美術館」は、春期企画展「二つの世界の始まり〜松藤孝一展〜」を開催中。上斎原地域の石とウランガラスを使って生命の光や影、人間の希望や恐怖などのイメージを提示した松藤さんの作品に来館者が見入っている。7月6日まで。
松藤さんは1973年、長崎県生まれ。現在「富山ガラス造形研究所」=富山県富山市=の准教授として後進の指導にあたりながら、富山市と愛知県名古屋市を拠点に活動している。
ウランをごく微量着色材として用いた同館オリジナルウランガラスを使った「世界の始まり」「突然変異」など4点を展示。「創造の扉」は、神棚のような装飾が取り付けてある箱の穴から中をのぞいて鑑賞するようになっており、ウランガラスの輝きが一層印象的な作品に仕上がっている。
岡山県高梁市の神主・渡邉真悠さん(27)は「地下と地上、そして『生えました』という生命力を感じた。ウランガラスの独特の色合い、繊細さが面白い」。三浦和学芸員は「生と死がテーマ。松藤さんの世界観を楽しんでほしい」と話している。
開館は午前9時半〜午後5時。火曜休館(祝日の場合は開館)。入館料は大人・大学生500円、高校生400円、小中学生300円。小学生未満無料。
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松藤さんの作品に見入る来館者
「妖精の森ガラス美術館」で「二つの世界の始まり〜松藤孝一展〜」を開催中/岡山・鏡野町