オムニバス講演会「病に向き合う医師たち」

歴史・文化
         

 津山洋学資料館の学芸員らが日ごろの研究の成果を発表するオムニバス講演会「病に向き合う医師たち」が31日、同館(西新町)で開かれ、津山藩医らの活躍を中心とした研究報告に歴史愛好家ら約40人が聞き入った。
 田中美穂学芸員は「津山藩の種痘(とう)」と題して、宇田川榕菴の養子の宇田川興斎(1821〜87)が江戸で行った天然痘治療や患者の回復の経過など解説をした。
 興斎は美濃大垣の医師・飯沼慾斎の三男で榕菴の没後、家督を相続。箕作阮甫らと共に対米露の翻訳でも活躍した。江戸藩に赴いた際に藩主の子女のたちに種痘を行い、成功した例を報告した。
 アン・ジャネッタ著の『種痘伝来』などを参考に天然痘にまつわる国内外の歴史や痘苗が海外から日本に渡った経緯などについても述べ、「痘苗が日本に伝わり、津山に届くまでとても早かった。各藩の医師たちのネットワークがよくできていたからだ」と説明した。参加者は熱心に耳を傾けていた。
 このほか、近都兼司学芸員が「江戸時代のコレラ騒動」、小島徹館長は津山藩医の仕事内容について話した。


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