中世倭文荘の領主や歴史探る重要点解説 市立図書館歴史講座

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 市立図書館の歴史講座「史料で学ぶ美作中世史〜郷土史家への道〜」が3日、岡山県津山市新魚町の同館で開かれ、愛好家26人が、倭文荘の領主・江原氏について知識を深めたり、未知の歴史を探る上で重要な点を学んだりした。
 広島県東広島市の美作郷土史家・皆木欣耿さん(78)が講師を務め、1500年から1600年ごろにかけて、現津山市の倭文川流域一帯を治めていたとみられる江原佐次、江原藤兵衛、江原又四郎、江原兵庫助について説明した。
 皆木さんは『新修津山市史資料編』『美作古簡集註解』などに記載されている書状や文書から、江原氏の立場や行いを推測。京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)領の荘園だったため、佐次が66貫文を収めたことのほか、「又四郎が宇喜多の姓を名乗っているのは、宇喜多直家の娘と結婚したから」といった考察を語った。
 また、「歴史をひもとくのは百人百様。人それぞれの見方、考え方がある」と語り、その上で「一つの物事に着目するのではなく当時の経済や生活様式など、さまざまな観点から考えを広げられるように、多くのことに興味を持ってほしい」と強調した。
 元教員で長い間津山の歴史を勉強してきたという中之町の三好尚子さん(87)は「江戸時代に比べて残っている文献が少なく、中世の津山を解明するのは困難。でもその苦労も含めて楽しんでいる」と話した。

美作郷土史家・皆木さんの話に耳を傾ける参加者


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