久米中学校(岡山県津山市南方中)は、全校生徒150人が静かに自身の気持ちと向き合いながら掃除する「自問清掃」を実施している。10年の節目を過ぎ、新たな伝統として定着する活動は、生徒から「心が落ち着き、物事に集中できる」といった声が上がり、情操面の安定につながっている。
自問清掃は2012年、当時の生徒会が掲げたスローガン「思いやりのある学校・いじめのない学校」に沿い、自発的に行動して忍耐力や他者を思いやる心を養い、人として成長しようと美化委員たちが中心となって計画を立てた。
11日、体育館で開かれた「自問集会」で、美化委員が「周りの人の気持ちを反らす行動をとらない、困っている人を見かけたら手伝う」といったマナーについて説明。その後、生徒たちは担当する場所に移動し、箒(ほうき)でごみを掃いたりや雑巾で床を拭いたりした。掃除の後は自分の行動をふりかえり、反省点や成長できた点、気が付いた点などをノートに書き留めていた。
初めて取り組んだ1年生の石原大雅君、霜手朝陽君、神谷佳那さんは「心に決めて行動すると見落としがちなごみにも気付く。できるだけきれいしたいと思った」、「学校がきれいだと安心感がある。久米中に入ってくる人たちのためにも、これから先も続けていきたい」などと話した。
頼経英博校長は「我慢強さや親切心を持って行動し、ささいなことでも気付くことで生徒たちは互いを認め、支え合いながら成長していく」と語っている。
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自分と向き合いながら清掃を行う生徒たち
久米中学校 「自問清掃」活動