回遊型アートイベント「美作三湯　芸術温度」

回遊型アートイベント「美作三湯　芸術温度」（県主催）が27日、湯郷温泉（美作市）、奥津温泉（鏡野町）、湯原温泉（真庭市）の宿泊施設などを会場に開幕し、趣向を凝らした多彩なアート作品が観光客らを楽しませている。12月４日までのロングラン。
　３年ぶり３回目の今回は、県内外の画家や彫刻家ら過去最多の26人が計25カ所に意欲作を設置した。
　このうち湯郷温泉の旅館「ゆのごう館」では、ロビーの吹き抜けの壁面に小林万里子さん（埼玉県）のテキスタイルが飾られ、”生命の種”から枝葉が伸び、鳥たちが羽ばたく壮大なイメージ表現が異空間を演出。絵の中に別の情景が垣間見える花房紗也香さん（奈義町）の「画中画」も並ぶ。旅館「季譜の里」では、水面の波紋を描いた森山知己さん（吉備中央町）の屏風絵が涼感を漂わす。
　一方、奥津温泉の道の駅では、椅子形の石彫をサークル状に並べた松村晃泰さん（岡山市）の大作が目を引き、家族連れらがふれたり、腰掛けたりしながらアートを体感している。ホテル「米屋倶楽部」では、ベロタクシーのボディをカラフルに着彩した中島麦さん（大阪府）がユニーク。
　湯原温泉の旅館「花やしき」では、植物などのモチーフを極彩色に描いた児玉知己さん（倉敷市）アクリル画がインパクトを放つ。
　湯郷を訪れた会社員女性は「温泉街を巡る趣向、さまざまなジャンルのアートと旅館の空間との響き合いも面白い。できれば全作品を見てみたい」と話していた。
　期間中、各展示場にあるスタンプを一定以上集めれば作品の図録がもらえるスタンプラリーを実施。