奈義町現代美術館(同町豊沢)は、コロナ禍で落ち込んでいた集客が回復してきた中、若い女性客らが急増している。常設の展示室「太陽」が〝インスタ映えスポット〟として注目を集め、週末は順番待ちになるほどの人気となっている。
「太陽」は美術家の荒川修作とマドリン・ギンズによる共同作品で、巨大な円筒状の室内に京都「龍安寺」をイメージした枯山水の庭園を浮かべたように配し、異空間を演出。
コロナ禍のため3月から企画展を休止している中、県内の感染状況が比較的落ち着いてきた夏場から客足が戻り始め、8月は2431人(前年同月2979人)、9月は2222人(同2391人)。写真投稿アプリのインスタグラムに次々アップされた反響で、20〜30代の女性らを中心に週末は300人前後が来館している。3密回避のため入室制限(1度に3人まで)している太陽の入り口には、列ができることも。
友人と初めて訪れた倉敷市の会社員女性(28)は「太陽は非日常的な面白さが最高にバエる。開放的な景色の中で野外彫刻も満喫でき、いいリフレッシュになった。京阪神に行くのはまだ怖く、休日は県内を巡っている」と話した。
岸本和明館長(57)は「以前は県外客が半数以上で家族連れから熟年組まで年齢層も幅広かったが、今は県南部からの若者が大半。コロナ禍だけに手放しで喜べない面もあるが、この美術館と現代アートの魅力を若年層に広く知ってもらえたら」と期待を膨らます。
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インスタ映えスポットとして人気を集めている展示室「太陽」
奈義町現代美術館、インスタ映えスポットとして注目
- 2020年10月14日
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