岡山県真庭市蒜山地域の「大宮踊」と笠岡市の「白石踊」 ユネスコの無形文化遺産に決定

歴史・文化
         

 日本各地に伝わる盆踊りなどの民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」が30日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に決定し、24都府県の41件が登録された。岡山県内からは真庭市蒜山地域の「大宮踊」と笠岡市の「白石踊」が選ばれた。
 風流踊は、衣装や道具に趣向を凝らして歌や笛、太鼓などのおはやしに合わせて踊り、華やかで人目を引くという「風流」の精神を体現していると定義され、共通の特徴を持つ民俗芸能として政府が申請。ユネスコ評価機関の事前審査で登録勧告され、先月28日からモロッコで開催中の政府間委員会で正式に決まった。
 国内でこれまで無形文化遺産に登録されているのは「能楽」「和食」「山・鉾・屋台行事」など22件。今回は09年に登録済みの「チャッキラコ」(神奈川県三浦市)を拡張提案するかたちで認められた。
 大宮踊は、蒜山地域で伝承されてきた盆踊り。毎年8月13〜19日、老若男女が神社や寺、辻堂などで五穀豊穣、子孫繁栄を願って踊り、舞うように優雅な「あおい」、歯切れのいい「しっし」、ドジョウすくいなどに変装するユーモラスな「てんこ」がある。1936年に保存会が発足し97年、国重要無形民俗文化財に指定された。
 太田昇市長は「登録実現により大きな飛躍、地域の振興が期待される。市としても引き続き支援していく」。
 同保存会の福井章雄会長(74)=蒜山上長田=は「世界の文化遺産のひとつに認められたことに会員一同、大きな喜びを感じている。保存会を設立して80有余年。今回の登録を道しるべに会員、地域住民と共に地域文化伝承の取り組みを今後も続けていきたい」としている。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「風流踊」のひとつ、真庭市の「大宮踊」


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