世界的な彫刻家・画家の武藤順九さん(70)による「お絵かき寺子屋」が10日、ポート・アート&デザイン津山=岡山県津山市=で開かれた。小学生と保護者23人が発想を膨らませながら墨絵を描き、アートの面白さを体感した。
「葉っぱの一生」がお題で、午前中は市内の5組11人がアサガオやヒマワリなどの葉を持参して参加。
武藤さんは「上手でなくていい。自分だけの絵、ストーリーを描いてほしい」と呼びかけ、手本では微妙な濃淡やにじみなどで墨の豊かな表情を引き出して見せた。
参加者は硯(すずり)で墨をすり、長さ6メートルの和紙に思い思いに毛筆を滑らせ、自由に感性を表現していった。1時間ほどで十人十色の絵巻物が完成。
東小1年・木原唯斗君は「葉っぱが手をつないで遊んでいるのを描いた。墨絵は初めてで楽しかった」。母親の朋子さん(35)は「心おもむくままに筆で表現していくのは快感。貴重な機会を親子で体験でき、夏休みのいい思い出になります」と話した。
武藤さんは、子どもたちの作品について「個性があってどれもいい」と講評。
同寺子屋は、生命をテーマにした大理石彫彫刻が国内外で高く評価される一方、全国各地で子どもの想像力育成と伝統文化継承を狙いにイベントを展開する武藤さんに、ポートと市教委が賛同。9月25日には岡山県真庭市の木山小学校で開き、岡山県苫田郡鏡野町でも予定している。
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自由に墨絵を描く子どもたちと武藤さん
川崎のポート・アート&デザイン津山で、世界的な彫刻家・画家の武藤順九さん(70)による「お絵かき寺子屋」/岡山・津山市