市内繁華街 夜間人出消える

経済・産業 市内繁華街 夜間人出消える
市内繁華街 夜間人出消える
         

 緊急事態宣言の発令から20日で5日目を迎えた。津山市内の夜の繁華街は人通りが消え、ひっそりと静まり返っている。
 「終日休業いたします」。入り口に臨時休業を知らせる張り紙をし、明かりが消えた飲食店。通りに人影はなく、普段より暗い。運転代行の車も見かけない。
 寿司店を営む70代の男性は「最初は時短営業にしようかと思ったが、お酒を出さないとお客は来ないから…」と16日からの休業を決めた。これまで給付金などでしのいできたが、状況は厳しさを増しているという。「こんな休みをもらってもうれしくないし、仕事をしないのは逆に疲れる」と苦しい胸の内を明かす。
 県は31日まで酒類やカラオケを提供している店舗に休業を要請し、それ以外の飲食店には営業時間を午後8時までに短縮するよう求めている。
 中心部から少し離れた場所でカラオケ店を経営する50代男性は「宣言が出たら休業することを決めていた。営業していたら住民から苦情が来るし、協力するほかない」。これまで検温やアルコール消毒といった対策に努めてきたが、客は以前に比べて大幅に減り、経営的に大打撃を受けているという。「コロナが収束しない限り、お客さんは不安で出かけられない。早く普段の日常が戻ってほしい」と願う。
 中心部で飲食店を営む70代男性も「昨年以来、夜8時になったら街は暗い」と言葉は少ない。「4月に客足が戻りつつあったが、津山でも月末ごろから陽性者が増え始め、再び客の入りが止まった」といい、午後10時までの営業を早い時間で切り上げることも。「苦しい思いをしているが、誰の責任でもない」。
 山下のラウンジ「ダンヒル」店主で、約50店舗が加盟する津山飲食業組合理事長の今村正照さん(78)は「時短営業や休業に応じて県が支給する協力金の存在は大きい」とする。「昨年は経費を気にして自主的に休まざるを得ない状況だったが、協力金があれば何とかなる店もある」。
 ただ、ワクチン接種の進ちょくが消費回復に直結するとみられていることに対しては、「かつての常連客は少しは戻るかもしれないが、インバウンド(訪日外国人客)を含む観光客がいない限り、回復幅は少ないだろう」と疑問を呈す。同組合ではスナック1店が経営難に陥って廃業したという。
 31日まで続く緊急事態宣言。地域経済に与える影響はあまりに大きい。


1人通りが消え、静まり返る夜の津山市内の繁華街=19日

2臨時休業を知らせる張り紙


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