本年度津山市生涯学習講座「美作学講座」(市、美作大学地域生活科学研究所主催)が28日、同大(北園町)で開かれ、歴史ファンら45人が明治初年の宗教事情について知識を深めた。
津山市史執筆者で倉敷市歴史資料整備室の山下洋さんが、明治政府が最初の政策として行った神仏分離について話した。「明治天皇を中心とした国民統合を図るために神社を利用し、神道国教化をめざした」と説明。その上で、史料の記録から神仏分離をめぐる津山周辺での出来事を挙げた。
また、長崎の浦上村で発覚した隠れキリシタン3460人が全国20藩に配流され、その後、明治初期に鳥取の96人が長崎への帰郷の道中に勝北郡楢村を通行し、村々で民衆と接したことなどにも触れた。
「神仏分離は民衆の信仰の形を大きく変容させた。構築された国家神道体制は昭和20年の敗戦まで続き、戦後その体制は否定された。神道は国の政策に振り回され、現在に至る」と結び、参加者は最後まで熱心に耳を傾けた。
第2回は1月23日午後1時半から、同大で開催。井原市文化財センター研究員の首藤ゆきえさんが「明治・大正時代の津山町政」を演題に話す。無料。定員50人程度で、28日まで参加者を募っている。
問い合わせは、生涯学習課(☎322118)。
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講演する山下さん