「気象の世界は不思議だらけ。気になり始めたら徹底して調べたくなる性分」
合格率5.5%の難関国家資格、気象予報士の試験に77歳で全国最年長合格記録を打ち立てた。前記録を3歳更新。北海道の女児が11歳で合格するなど最年少記録が何かと話題になる中、シニアの気概を見せつけた。
「最年長合格と知らされたときは本当に驚きました。一人でも励みになる人がいればうれしい」
鏡野町出身、津山高校卒。大学卒業後は大手電気機器メーカーにシステムエンジニアとして勤務。親の面倒をみるために56歳で早期退職した。1カ月に1度実家に戻る生活を続けており、5年前に母親を亡くしたあとも、畑と家の面倒を見るために同じように鏡野と滋賀を行き来している。
「フェーン現象がなぜ起こるのか。台風の発達過程にも興味があった」といい50代のころから関係書籍を読み始めた。気象予報士の受験を決めたのは70の声を聞きたとき。「えらい年齢になると思った。ふと思い立ち、ぼけ防止に何かしたいとネットで受験対策の本を買った」。
試験は1月と8月年2回あり、計9回受験。7年がかりで合格した。
「記憶するだけじゃだめで想像力が必要。教科書に載っていないことも出題される。そこが面白い」
鏡野町の実家に戻ると趣味の畑とゴルフを楽しんでいる。「好奇心は尽きない。次は何に挑戦しようか考え中」
プロフィル
鏡野町入出身。滋賀県栗東市在住。77歳。