県立美術館で赤松麟作展覧会

芸術 県立美術館で赤松麟作展覧会
         

 明治から昭和にかけて活躍した津山市出身の洋画家・赤松麟作(1878〜1953年)の画業をたどる展覧会が、岡山市北区天神町の県立美術館で開かれている。初期から晩年までの代表作を一堂に展観し、多くの美術ファンらを魅了している。11月3日まで。
 赤松は本町3丁目に生まれ、83年に一家で大阪市に転居。最初の師・山内愚僊に油絵を学んだあと上京し、開設されたばかりの東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科に入学。1904年に大阪朝日新聞者の挿絵記者として入社後、梅田で洋画塾を開き、関西洋画界の指導者として戦後初期まで尽力した。県内での展覧会は44年ぶり。
 会場には県内外の収蔵品約160点を風景、女性、花や鳥などの画題別に展示。津山市からは江原積善会や菅田、中島病院、津山郷土博物館の45点が並ぶ。代表作として知られる「夜汽車」(1901年、東京藝術大学蔵)は、夜明けが近づく頃合いの夜行列車の客室と窓外の景色を描いた作品で、乗客たちのさまざまなしぐさが見どころ。第6回「白馬会展」で白馬会賞を受賞して高い評価を受け、東京美術学校買い上げとなって赤松の名が広く知られるきっかけになった。
 ほかにも、「大坂築城図」「大坂落城図」(1924年、大阪城天守閣蔵)、「翁」(1913年、大阪市立美術館蔵)、「白糸の滝」(1932年、日本綿業倶楽部蔵)など赤松の歩みを伝える作品が目を引き、大正末期から制作したブロンズ像もある。来館者は一点一点と向き合いながらじっくりと鑑賞している。
 午前9時〜午後5時。一般350円、大学生250円、65歳以上170円、小中高生無料。
 問い合わせは、同美術館(☎086―225―4800)。


代表作「夜汽車」(1901年、東京藝術大学蔵)などの作品に見入る来館者


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