美作高校=岡山県津山市=で24日、国立ハンセン病療養所・長島愛生園=岡山県瀬戸内市=の入所者らを講師に招いた人権啓発の授業があり、福祉コースの2、3年生35人が悲痛な経験談に耳を傾けた。
入所者自治会の役員谷本静夫さん(83)と同園の元看護部長・押目美恵子さんが来校した。
谷本さんは、国策で療養所に隔離されていたことについて「治療のためではなく、その存在を人目にふれさせないため。人として尊重はされなかった。病気に対してきちんと理解している人は施設の外におらず、支援はなかった」と訴えた。その上で「無知によって人権侵害は起こる。相手の気持ちが分かる人になってほしい」と呼びかけた。
押目さんは、患者の結婚について質問を受け、「遺伝で感染するという誤った情報が流れたため子孫を残すのは許されなかった」と当時の状況を説明した。
3年生の永井涼悠さんは「患者は誹謗(ひぼう)中傷がされ、想像以上の苦しみがあったことが分かった。コロナ禍で同じ様に悲しい思いをしている人を守ってあげたい」と話した。
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谷本さんの話を聞く生徒