世界最高峰の洋菓子大会「第18回クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」が21日、フランスで開かれ、岡山県久米郡美咲町出身の鈴鹿成年さん(32)がリーダーを務める日本チームが強豪フランスを破り、世界1位に輝いた。同大会で日本チームが優勝するのは16年ぶり。
鈴鹿さんは久木の和菓子店「昭和堂」を営む父の背中に憧れ、津山東高校の食物調理科を卒業後は菓子やパンの製造・販売を手がけるシュゼット(兵庫県)に入社。製造部やシンガポール店の店長などを経て、現在はマーケティング部で業務のかたわら腕を磨いている。
同大会は、アメ、チョコレート、氷の3部門の国内予選1位通過者3人がチームを組み、大型工芸菓子の芸術性や味を競い合う。2年に1度フランスで開かれ、今年は「気候変動」をテーマに、17カ国が10時間にわたり技量や知識を披露した。
鈴鹿さんは、アメ細工とシェアデザートを担当。冒頭、機材トラブルに見舞われたものの、粘り強く作品と向き合い、完成させた。
「Renewable Energy(再生可能エネルギー)」と名付け、3体のクジラが雲海の中を軽やかに舞う姿を繊細に表現した。
10年前から同大会で優勝するのが夢だったという鈴鹿さんは「まだ実感はないが、本当にうれしい。両親や友人、サポートしてくれた会社や上司に感謝を伝えたい。将来は洋菓子を通して笑顔を届けるエンターテイナーになるのが目標」と話していた。
鈴鹿さんは、2019年大会に出場選手のサポーターとして参加。初出場した21年度大会の国内予選で2位となり、2度目の出場で栄光を掴んだ。
世界最高峰の洋菓子大会 美咲町出身の鈴鹿成年さんがリーダーを務める日本チームが優勝