岡山県津山市河辺の鈴木善正さん(84)方の田んぼの付近で直径25センチの白いキノコ・オニフスベが見つかり、「すごいものが出てきたぞ」と地域の話題になっている。
15日に先に見つけた孫娘の話を聞き付けて鈴木さんも同行したところ、初めて見る大きな物体を確認。「最初は白いヘルメットではないかと驚いた。近づいて見ると違うことがわかったが、普段見るキノコとは違い、その存在感がちょっと不気味に感じた。近辺には小さいものがあり、なぜここで生えてきているのか不思議」と語る。
県の農業水産総合センター森林研究所によると、オニフスベは枯草などの有機物が微生物によって分解され、堆肥化した場所に発生するという。通常は直径15~30センチで中には1メートル近くまで成長するものある。暑さのピークが過ぎて気温が下がり、さらに雨が降ったことによって土壌の水分が増えたので菌類、キノコ類がよく育つ環境になり、生えたとみている。
同品種の内部は弾力があり発砲スチロールのような質感をしており、白から黒色に変色した後は、頂点に空いた穴から粉状の胞子を大量散布してつぶれていく。「おそらく来年も近辺に発生すると思われる」と推測している。 ちなみに新鮮なうちは食べられるものの、ざらざらとした食感で味が無い。同研究所は「おいしくないので、食べるのはおすすめできない」としている。
鈴木さんは「このままそっとしておこう。近くで子どもたちの登下校の見守り活動をしているので、こういったキノコが身近にできることを教えたい」とほほ笑んでいた。
