岡山県真庭市勝山と鳥取県倉吉市を結ぶ計画が進められていた国鉄「南勝線」について語り合うプロジェクトの第2弾が14日、真庭市若代の富原駅を会場に開かれ、鉄道ファンたちは「南勝線の駅弁」を想像して作られた弁当を味わい、実現しなかった幻の鉄道路線に思いをはせた。
真庭市が主催し、文化コミュニティ・MANIWABAUMが運営する企画で、鉄道の日に合わせて実施した今回は、市内外に住む10~70代の9人が参加。JR美作追分駅などから姫新線の車両に乗車して沿線の旅を楽しみ、富原駅に到着後は前回の会合で参加した人たちのアイデアを元に完成した弁当を試食した。
弁当は蒜山おこわ、湯原の温泉水で養殖されているエビ、鹿肉のヒレカツなど同路線が運行する予定だった地域の食材を詰め合わせた一品で手にした人は「すごい、豪華」と大喜び。昭和時代に普及していた合成樹脂製の「ポリ茶瓶」にいれた富原地域の名産・とみはら茶でのどをうるおし、「おいしい」と食べていた。鉄道旅の雰囲気をより味わおうとホームで食事をとる人の姿も見られた。
鏡野町原の原武士さん(71)は「ジビエや山間部で育った海の幸など、他の駅弁には無い個性を感じられるおかずがそろっていて味わい深かった」と笑顔で話した。この後は参加者たちがより沿線地域の魅力を集め、みんなが楽しめる駅弁を作ろうと、意見を出し合っていた。
関連記事