岡山県久米郡美咲町の農村型リゾート施設・南和気荘で13日、美作大学の学生たちの発案によってできた南和気パン工房「学校のパン屋さん」のカフェがオープンした。若者の視点や発想を生かして地域のにぎわい創出を図る。
施設内でパン工房を運営する南和気地域活性化推進協議会は、コロナ禍で遠のいた客足を呼び戻そうと県の「地域に飛び出せ大学生!おかやま元気!集落研究・交流事業」を通じて依頼。授業で学んだ専門的な知識を地域振興へと結びつける研究をしている食物学科の松原洋子講師のゼミ生3人が参加し、工房で製造している焼き菓子や地元の食材を活用して、南和気地区の特色を際立出せたメニューを考案するなどして準備を進めた。
この日は、同地区産の米粉やブルーベリーをふんだんに盛り込んだシフォンケーキ、町の特産「森のたまご」を使った「黄福たまごのケーキ」の2品を提供。プレートには施設の外観をあしらった粉砂糖のデコレーションが施されており、訪れた人たちは「見た目が華やかでインパクトがある」などと話しながら味わっていた。
同町飯岡の我原満鳥さん(66)は「とてもおいしかった。近くに喫茶店が無い中、みんなで集まってお茶を楽しむ場所ができてうれしい」と笑顔で語っていた。
カフェを運営する学校のパン屋さんの寒竹とよ子代表(67)と寒竹美穂さん(58)は「協力していただいた学生のみなさんに感謝している。南和気の魅力を大切にし、地域の人はもちろん、町外の人たちも来ていただけるように頑張っていく」と話していた。
南和気荘は、南和気小学校(93年閉校)の廃校舎を利用した施設で、建設された1941(昭和16)年当時の面影を残している建物が特徴。宿泊だけでなく、パン作り体験やアウトドアなどが楽しめる。カフェは毎週土曜日午前11時から午後4時(オーダーは3時半)まで営業する予定で、都合により休業する場合もある。
問い合わせは、同施設(TEL:0868-64-0180、FAX:0868-64-0182)。