岡山県の文化向上に貢献した個人や団体に贈る第76回「県文化賞」を受賞した木工芸作家の小椋芳之さん(76)=津山市鉄砲町=が29日、谷口圭三市長に受賞の喜びを報告した。
小椋さんは、現在の鏡野町羽出に代々居住した木地師の末裔で、小学生のころから父に師事し、挽物(ひきもの)技法を習得。木地師の技術を伝える数少ない存在で、2011年には県重要無形文化財保持者に認定された。長年にわたる精力的な創作活動や小学校出張出前講座を行うなど、県内だけでなく中国地方の伝統工芸の普及・振興に貢献したとして、同賞を受賞した。
谷口市長が「住民にとっても喜ばしく、津山の文化的な力が高まる。木地師の技はもちろん、その精神を次世代につなげてほしい」とあいさつ。小椋さんは「今まで取り組んできたことが認められた。これからもみなさんに木地師について知ってもらうため、体が動くかぎり活動していきたい」と話した。