「織物」をテーマにしたツアーでアメリカ東部から来日した女性12人が24日、岡山県指定郷土伝統的工芸品の「作州絣(かすり)」を見学し、機織りなどの手仕事を体験した。
友禅やさをり織りなどを学ぶ企画で、参加者はペンシルバニア州の織物講師、サラ・ビクスラーさん(41)と50~70代の愛好者。津山市西今町の作州絣工芸館が改修中のため、同絣保存会の日名川茂美会長(美咲町打穴中)の工房に招いて実施した。
日名川会長は作業工程について説明し、ワタをよじりながら糸を紡ぎ、先染めの絣糸を掛けた高機で織りを実践。参加者は会員にアドバイスを受けながら、それぞれ真剣な面持ちで経(たて)糸の間に杼(ひ)をくぐらせて“トントン”と小気味よい機音を響かせ、愛らしいアジサイの絵柄を織り込んでいた。このほか種と木綿の選別や、弓の弦を振動させて綿をほぐす作業にも挑戦した。
エミリーバート・ヘドリックさん(61)は「とても美しい色合いで気に入った。機織りで柄をきれいに入れるのが難しかったが楽しくできた」と話していた。
日名川会長(68)は「今後も海外との交流を図りながら、素朴で味わいのある絣を大切に残していきたい」と話していた。