「風の環」ワールドプロジェクト 最終章 平和象徴のモニュメントお目見え/岡山・津山市

経済・産業 出雲大社美作分院にお目見えした、出雲大社に永久設置されるモニュメント=岡山県津山市で
出雲大社美作分院にお目見えした、出雲大社に永久設置されるモニュメント=岡山県津山市で
         

 世界各地の聖地に平和を象徴するモニュメントを設置してきた「風の環」ワールドプロジェクトの最終章「出雲大社プロジェクト2025」で奉納される作品が20日、岡山県津山市の出雲大社美作分院にお目見えし、「出雲大社御奉納モニュメント送行展示会並びに出発式」が開かれた。作品は9月19日、出雲大社(島根県出雲市)に永久設置される。

 今回奉納されるのは、津山市在住の彫刻家・画家、武藤順九さん(75)が制作した、東日本大震災の慰霊と鎮魂のモニュメント「風の環2011〜絆〜」のファーストイメージモデル。高さ80センチ、幅100センチ、奥行き20センチ、重さ約600キロの大理石彫刻で、被災地のがれきの中に芽吹く双葉をモチーフにした象徴的な造形だ。長らく京都芸術大学に展示され、募金活動のシンボルとして多くの人々に親しまれてきた。

 出発式では神事が執り行われ、厳粛な雰囲気に包まれた境内で、白布に覆われたモニュメントが除幕されると、集まった参列者から大きな拍手が湧き起こった。

 武藤さんは「宗教や国境を超え設置してきた『風の環』シリーズが、いま出雲大社で一つに結ばれようとしていることに深い感慨を覚える。八百万の神々が集う聖地から、世界中へ平和への祈りが届くことを願っている」と語り、奉納への思いを述べた。

 このプロジェクトは、2000年のバチカン・ローマ法王公邸への「風の環PAX2000」を皮切りに、インド・ブッダガヤ、米国デビルスタワーなど、世界的な聖地に作品を設置してきた取り組みの集大成。出雲大社に永久設置されることで、日本発の平和メッセージが世界中へ広がることを期している。

 展示会は27日まで同分院で一般公開される。無料で鑑賞でき、会場には募金箱も設けられている。

「風の環」ワールドプロジェクトで設置された作品のパネル
「風の環」ワールドプロジェクトで設置された作品のパネル


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