第7回「OKUTSU芸術祭」(同実行委など主催)が20日、岡山県苫田郡鏡野町奥津地域を中心とした22会場で開幕した。美作地域出身の若手美術家らが手がけた絵画や立体作品、鮮やかに彩色されたストリートピアノなどがお目見えし、行楽客らを楽しませている。11月30日まで。
色彩豊かなアクリル画や水彩画をはじめ、彫刻、オブジェ、手ぬぐいアート、モノクロ 写真など感性あふれる約400点を展示。会場はかがみの近代美術館(鏡野町奥津川西)、花美人の里(同)、石庭遊園地(同町奥津)、国登録有形文化財の奥津荘(同)のほか、UJITEI(津山市加茂町宇野)、神宮寺(美作市梶並)など。
ストリートピアノは、奥津地域の温泉施設に放置され、持ち主不明だったグランドピアノで、真庭市出身の画家・池田愛花里さん(28)が川底をテーマに小魚や水草などをみずみずしいタッチで塗装し、仕上げた。設置場所は、かつて集落が湖底に沈んだ歴史を持つ苫田ダムが望める場所として、みずの郷奥津湖(同町河内)にこだわった。
お披露目コンサートを兼ねて同所で行われた開会式では、来賓や地域住民ら約60人が出席。生まれ変わったピアノからつむがれる美しい調べに聴き入っていた。
同芸術祭総合ディレクターの辻本高廣かがみの近代美術館長は「人々の思い出が詰まった場所に新しい命を吹き込むことができた。会場を巡って施設とアートの融合を楽しんでもらいたい」と話している。
アート作品の展示のほか、昭和の名曲を楽しむディスコイベントが10月4日に花美人の里で開かれる。参加無料。
問い合わせは、同美術館(TEL:0868-52-0722)。
