那岐山麓の雄大な自然を背景に心豊かなひと時を過ごせるまち・岡山県勝田郡奈義町。カップルや家族連れらに人気の町現代美術館(豊沢)となぎビカリアミュージアム(柿)の2施設を紹介する。
美術館は世界を代表する建築家・磯崎新氏により設計され、1994年4月25日に開館。メインとなる3種類の常設展は作品と建物が融合したような作りになっている。
まず、同館を象徴するような円柱型の建物の中は荒川修作氏とマドリン・ギンズ氏の作品「太陽」になっており、光と闇のバランスに龍安寺の石庭を思い起こさせるような圧倒的で存在感のある空間が広がる。岡崎和郎氏の「月」は、多少の動きにさえ反応する音の反響が楽しく自らの心の動きが実感できる。また、宮脇愛子氏の「大地」は無機質なワイヤーが巡らされているものの、光線と風の具合で一つとして同じ状況ではない「時の移ろい」を感じさせ観賞者を無の境地へ導くよう。

一方、なぎビカリアミュージアムは、1998年4月29日にオープン。約1600万年前の地層を生かした自然科学の学習と体験ができる。
常設の化石は、中学1年理科の教科書にも写真が掲載され、すでに絶滅しているビカリアをはじめ、ナギカワニナモドキ、トクナリヘナタリ、カニの爪、ワニの歯などさまざま。このほか、同所の地層をそのまま展示したスペースや学習用DVDの上映(11分)、屋外化石掘り体験もできる。
美術館は午前9時半から午後5時(入館4時半)、一般・大学生700円、高校生500円、小中学生300円。ミュージアムは午前9時から午後5時。一般(高校生以上)300円、中学生・小学生150円。両施設の共通入場券があり一般800円、高校生600円、小・中学生300円。
