津山信用金庫=岡山県津山市=は第46回「つしん景況レポート」を発表した。作州の今期(4〜6月)の景況天気図は「雨曇り」。業況判断DI(※メモ)はマイナス6.8で、前期に比べて4.0ポイント下落した。物価高騰や海外経済の減速が主な要因で、来期(7〜9月)もマイナス5.6の「雨曇り」と予想。
地域別DIの今期は、津山鏡野がマイナス0.6(前期比3.8ポイント増)とやや改善した一方、美作勝央がマイナス17.1(同31.4ポイント減)真庭がマイナス17.3(同5.5ポイント減)に悪化。
業種別DIの今期は、小売業と製造業が前期比で上昇。不動産業、卸売業、建設業、サービス業がダウンしている。
雇用判断DIは、マイナス33.4(前期マイナス36.8)とやや改善したが、来期はマイナス39.4の予想。
調査先企業のうち、自動車部品製造業者からは「半導体の供給が安定したことで受注量が回復してきており、今後は業況が良くなる」、住宅建設業者からは「建築コストの高騰により新築着工件数は減少しているが、リフォーム案件がコンスタントに獲得できている」などの声。飲食料品卸売業者からは「メーカーには物流コストを抑えるため大ロット発注・一括配送を依頼される一方、消費者には小口注文・多頻度発送を依頼され、資金繰りが悪化している」、小売業の飲食店からは「コロナ5類移行によって客足が戻りつつあり、売り上げは回復基調」、菓子店からは「小麦、乳製品などの仕入れ価格が上昇し、対策としてメニュー改定時に価格転嫁したり、廃棄ロスを削減する数量調整をしたりしている」との声もあった。
今回の特別調査のテーマは「アフターコロナと中小企業」。「現在の売上は新型コロナウイルス感染拡大前と比べてどうか」では、「ほぼ変わらない」が45%、「増加した」29%、「減少した」27%。「賃上げ、もしくは一時金の支給を実施したか」では、「賃上げした」が63%、「一時金を支給した」が22%。「原材料・仕入価格や電力・エネルギー価格の上昇分を販売価格に転嫁できているか」では、「原材料・仕入価格上昇分は転嫁はできている」が73%、「電力・エネルギー上昇分を転嫁できている」は43%。「3〜5年後に向けた事業展開は」では、「新たな販路・市場を開拓したい」が38%、「現在の事業を継続したい」が33%、「新たな製品・商品・サービスを開発したい」21%、「まったく異なる事業を手掛けたい」2%など。
同レポートは、3カ月ごとに信金職員が中小企業経営者から聞き取り調査して分析。今回は5月下旬〜6月上旬に251社を訪ねた。
※メモ
【DI】「良い」と回答した企業数の割合(%)から、「悪い」と回答した企業数の割合(%)を差し引いた値。